ドライガーデンのデメリット【5選】？つくり方と向いている庭をご紹介

ドライガーデンは、乾燥した環境を愛する植物で構成される独特の庭園スタイルです。
この庭園スタイルは、水やりの手間を減らしつつ、風景にユニークな美しさをもたらすという特徴があります。

本記事では、ドライガーデンの基本から、日本の多湿な気候における適応方法、さらにはおしゃれな作り方までを掘り下げてご紹介します。
乾燥地帯の風景を愛する方や、水の使用を抑えたガーデニングに関心のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

岐阜石とドライガーデン３

□ドライガーデンとは？

ドライガーデン、これは文字通り乾燥した環境を好む植物を選び、植栽することで作り出される庭園の一形態です。
日本のように降雨量が多く湿度が高い地域でも、適切な植物の選択とデザインによって、ドライガーデンは実現できます。
この庭園スタイルの特徴は、南半球や地中海地方、西海岸の風景を模倣したデザインにあり、白やサンドベージュ、赤を基調とした色彩に、個性豊かな緑を配することが多いです。

砂漠地帯の自生サボテン

1:定義と特徴

ドライガーデンは、乾燥地帯をイメージさせるような植物を選んで植え付けることで、水はけの良い環境を再現します。
この種の庭は、潤いに満ちたイングリッシュガーデンとは対照的に、乾燥した自然美を楽しむことに重点を置いています。
瑞々しさや柔らかな風を表現する代わりに、シャープでモダンな印象を与える植栽が特徴です。

サボテンと石

2:日本の気候への適応

日本のように湿度が高く、雨の多い地域でもドライガーデンは実現可能です。
そのためには、日本の気候に適応する植物の選定が重要になります。
乾燥を好む植物や耐湿性のある植物を選び、適切な配置と管理によって、ドライガーデンの美しい景観を保てます。

屋根下で雨よけ

3:デザインの基本原則

ドライガーデンをデザインする際には、数々の基本原則があります。
その中でも重要なのは、表土を化粧砂利や岩で覆うことで、乾燥地帯の風土を表現することです。

また、植栽は直線的なフォルムや多肉質の植物を中心に配置し、全体としてシャープでモダンな印象を与えます。
このようなデザインによって、ドライガーデン独特の美しさが引き立てられます。

西海岸風ドライガーデン

□ドライガーデンのデメリット

ドライガーデンは、乾燥した地域の風景を模倣したガーデンスタイルで、水やりの手間が少なく、独特の美しさを持っています。

しかし、このスタイルには注意が必要なデメリットも存在します。
以下で、ドライガーデンの導入を検討する際に押さえておくべき主なデメリットや注意点について解説します。

1:土づくりに工夫が必要

ドライガーデンを作るためには、一般的な日本の庭に見られる土とは異なる、特殊な土づくりが必要です。
水はけを最重視する必要があり、乾燥地帯の植物が多いため、水はけの良い土壌を用意することが重要となります。
これには、土壌改良を行ったり、花壇を作って水はけの良い土で嵩上げしたりするなどの工夫が必要です。

ドライガーデンの作業過程　土壌作り

2:気候に合った植物選びが重要

ドライガーデンで使用する植物は、住んでいる場所の気候に合うものを選ぶ必要があります。
耐寒性を重視した植物選びが求められ、特に寒冷地では慎重な選定が必須です。
地域の年間最低気温に合わせた植物選びが、ドライガーデンの成功の鍵を握ります。

アガベ・笹の雪

3:寒さ対策が必要な場合も

寒い地域でのドライガーデンでは、冬季に植物への寒さ対策が必要になることもあります。
寒冷紗を使用して植物を保護するなど、地域の気候に合わせた対策を講じることで、植物を健康に保てます。

雪囲い

4:雑草対策と定期的な管理

雑草との戦いは、ドライガーデンでも避けられません。
雑草が生えやすい環境であるため、定期的な管理と雑草抜きが必要です。
雑草管理をすることで、植物の体調チェックも同時に行い、綺麗な庭を維持できます。

5:植物の枯れるリスク

ドライガーデンは乾燥地帯の植物を中心に構成されていますが、管理方法を誤ると植物が枯れるリスクがあります。
特に水やりの過不足には注意が必要で、植物の種類に応じた適切な管理が求められます。

以上のデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、ドライガーデンの魅力を存分に発揮できます。

□どんな庭にドライガーデンが向くのか

ドライガーデンは、その名の通り「乾燥した庭」を意味しますが、単に乾燥しているだけでなく、ある特定の条件を満たした庭に最適なガーデニングスタイルです。
このスタイルは、水の少ない環境でも豊かな表情を見せる植物や、石などの非生物的要素を用いて、独特の風景を作り出します。
では、どのような庭がドライガーデンに向いているのでしょうか。
また、向いていない庭をどのように改善すればよいのでしょうか。

＊ドライガーデンに向いている庭の特徴

1:日当たりが良好で、特に南向きの庭

日中の直射日光をたっぷりと浴びられる南向きの庭は、ドライガーデンに最適です。
日光を好むサボテンや多肉植物を中心とした植物は、光合成を効率よく行い、健康的に育ちます。

南向きの日当たり

2:壁やフェンスが近くにある

植物が少なく、その間隔も広めに取られるドライガーデンでは、背景となる壁やフェンスがあると、植物や石などの配置が引き立ちます。
これらの背景は、景観をより一層際立たせる効果があります。

3:メンテナンスを楽にしたい

通常の庭木に比べて手入れの必要が少ないドライガーデンは、忙しい方やガーデニングに多くの時間を割けない方に最適です。
定期的な水やりや剪定が少なくて済むため、手間をかけずに庭の美しさを保てます。

＊ドライガーデンに向いていない庭の特徴とその改善方法

1:日陰が多い庭

日当たりが悪い庭では、日光を好む植物が育ちにくいため、ドライガーデンには不向きです。
このような場合は、木を剪定して日当たりを改善する、または日陰に強い植物を選ぶなどの対策が有効です。

2:排水が悪い

植物の根腐れを防ぐためには、排水の良い土壌が必要です。
粘土質で排水が悪い土壌の場合は、砂を混ぜて土壌改良を行う、高床式の花壇を作るなどして、排水性を高めることが大切です。

庭の排水

3:冬期の寒さが厳しい地域

寒さに弱い植物が多いため、冬期の寒さが厳しい地域では、寒さ対策が必要です。
寒冷紗を使う、植物を室内に入れるなど、冬の寒さから植物を守る工夫が求められます。

ドライガーデンを検討する際は、まず庭の環境をよく観察し、上記のような特徴を把握することが大切です。
そして、向いていない条件がある場合でも、適切な改善策を施すことで、美しいドライガーデンを実現できます。
さまざまな条件下でも楽しめるドライガーデンを、ぜひあなたの庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。

□ドライガーデン外構のおしゃれな作り方

ドライガーデンは、限られた水資源を効果的に活用しながら、植物と石の美しい景観を楽しむ庭園スタイルです。
この外構をおしゃれに仕上げるには、計画的な設計と工夫が必要です。
ここでは、ドライガーデンを作る上で重要な花壇スペースの確保から、植物の選定、土作り、そして美しいレイアウトまで、おしゃれなドライガーデンの作り方を詳しく案内します。

1:花壇スペースの確保と評価

ドライガーデンを作る最初のステップは、花壇スペースの確保です。
庭の中で、どれくらいのスペースをドライガーデンに割り当てるかを決め、その地の日照条件や水はけの良し悪しを評価します。
日当たりが良く、水はけの良い場所を選ぶことで、植物は健康的に成長し、病気にかかりにくくなります。
また、スペースの形状に応じて、どのようなレイアウトが可能かも考えましょう。

2:植物の選び方

ドライガーデンに適した植物は、乾燥に強く、日光を好む種類がほとんどです。
アガベやユッカ、サボテンなどの耐乾性に優れた植物は、ドライガーデンの風景にぴったりです。
植物選びの際は、その耐寒性も考慮に入れ、地域の気候に合った種類を選びましょう。
植物の大きさや形、色の組み合わせも大切です。
全体のバランスを考えながら、さまざまな種類を組み合わせてみてください。

3:石と砂利の選び方

石はドライガーデンの重要な要素です。
地面のレベルを変えたり、パスを作るために使われます。
自然石を選ぶときは、色や形、大きさのバリエーションを豊富に取り揃え、自然な風合いを出すことが大切です。
また、砂利は地面を覆って水はけを良くし、雑草の生えにくい環境を作り出します。
色や質感にこだわり、石との相性を考えて選びましょう。

ドライガーデン

4:土作り

ドライガーデンにおいては、水はけの良い土作りが成功の鍵です。
土壌が粘土質で水はけが悪い場合は、砂や腐葉土を混ぜて改良しましょう。
土の上に高さを持たせることで、自然な排水が促されます。

また、土作りには有機物を適度に含むことも重要です。
栄養分を植物に届けるために、適切な配合で土壌を準備しましょう。

5:レイアウトのコツ

最後に、植物と石の配置には工夫が必要です。
植物は成長を考慮して適切な間隔を空け、石は大小さまざまなものを使って高低差を作り出します。
これにより、視覚的なメリハリが生まれ、立体感のあるドライガーデンが完成します。
全体のバランスを見ながら、自分だけのオリジナルなドライガーデンを作り上げてください。

以上が、ドライガーデンのおしゃれな作り方です。
計画的に進めることで、乾燥地帯でも美しい庭園を実現できます。
植物や石の選び方、土作りからレイアウトまで、一つひとつに愛情を込めて、あなただけのドライガーデンを作り上げてみてはいかがでしょうか。

岐阜石のロックガーデン

□まとめ

ドライガーデンは、その省水性と独特の風景で、さまざまな環境に対応可能なガーデニングスタイルです。
乾燥を好む植物の選定から、水はけの良い土作り、そして風景に溶け込むデザインの基本原則に至るまで、ドライガーデンの魅力はその実用性と美しさにあります。

一方で、土壌改良や適切な植物選び、冬季の寒さ対策など、注意を要する点も存在します。
これらのポイントを押さえることで、日当たりが良好な庭や、メンテナンスを楽にしたいと考える人に特に適した、美しく実用的なドライガーデンを実現できます。