ドライガーデンとロックガーデンは何が違う？岐阜・愛知の【店頭相談50件以上】から徹底解説

サボテンと岐阜石の組み合わせ

「ドライガーデンとロックガーデンって何が違うの？」と聞かれることが多いです。どちらも石と乾燥に強い植物を使う庭ですが、目的・構造・メンテナンスが全く違います。本記事では、岐阜・愛知で店頭相談50件以上を持つ揖斐川庭石センターが、科学的根拠と実際の施工データから両者の違いを徹底解説します。特に、

• デザインの違い（ドライは「開放感」、ロックは「立体感」）
• 植物の選び方（ドライは乾燥地帯植物、ロックは高山植物）
• メンテナンス頻度（ドライは年6時間、ロックは年20時間）
• 初期費用の差（ドライ¥120,000 vs ロック¥80,000/10㎡）
• 【新提案】ハイブリッドガーデン（ドライとロックのいいとこ取り、年10時間メンテ・¥95,000/10㎡）

を具体的な数値とともにお伝えします。

※植物の詳しい育て方は専門外です。植物に関する質問は、お近くの園芸店や楽天市場の専門店にご相談ください。弊社は石・砂利の選び方とレイアウトに特化してサポートします。

ドライガーデンとロックガーデンの決定的な違い5選

出典: 揖斐川庭石センター（2020-2024年）

【違い①】デザインの根本思想が違う

ドライガーデンは、砂漠・乾燥地帯の風景を目指します。アメリカ南西部やメキシコの荒野をイメージし、開放感と余白が特徴です。植物は1m²あたり1-2株程度で、植物と植物の間に広い空間を残します。

ロックガーデンは、アルプスやヒマラヤの高山を目指します。岩と岩の隙間に植物が根を張る様子を再現し、立体感と密度が特徴です。植物は1m²あたり5-10株で、石の隙間を埋めるように配置します。

【違い②】植物の選び方が全く違う

ドライガーデンの植物：乾燥地帯の多肉植物

• アガベ類（耐寒-20℃）：アメリカ南西部原産。葉が肉厚で水分を蓄える。
• ユッカ類（耐寒-15℃）：メキシコ原産。槍のような葉が特徴。
• サボテン類（耐寒-5℃）：中南米原産。棘で水分蒸発を防ぐ。

科学的根拠：これらの植物はCAM型光合成を行い、夜間に気孔を開いて二酸化炭素を取り込むため、昼間の水分蒸発を最小限に抑えます（園芸学研究）。

ロックガーデンの植物：高山植物・グランドカバー

• セダム類（耐寒-20℃）：高山帯原産。小型多肉植物で石の隙間に最適。
• ハーブ類（耐寒-10℃）：タイム、オレガノなど。香りも楽しめる。
• 高山植物（耐寒-25℃）：エーデルワイス、リンドウなど。小さな花をつける。

科学的根拠：高山植物は低温適応しており、細胞内に不凍タンパク質を持ちます（農業気象）。これにより、-20℃以下でも細胞壁が破壊されません。

【違い③】メンテナンス頻度が3倍違う

理由：ドライガーデンの植物（アガベ・ユッカ）は徒長しにくく、年に数cm程度しか成長しません。一方、ロックガーデンの植物（セダム・ハーブ）は横に広がる性質があり、定期的な剪定が必要です。

【違い④】初期費用が1.5倍違う

ドライガーデンの費用内訳（10㎡・DIY施工）

ロックガーデンの費用内訳（10㎡・DIY施工）

差額理由：ドライガーデンは排水層15cmが必須で、砂利代が高額。ロックガーデンは石の隙間に少量の土を入れるだけで済むため、排水層不要。ただし、アガベ1株¥3,000に対し、セダム1株¥800と植物単価が安い。

【違い⑤】岐阜・愛知での適性が違う

理由：ドライガーデンの多肉植物は湿潤寒冷に弱いです（農業気象）。岐阜・愛知の冬は「雨・雪+低温」が続くため、カタログ値-10℃の植物でも凍害リスクあり。一方、ロックガーデンの高山植物は湿潤寒冷に強いため、岐阜・愛知の気候に適しています。

石材選びで失敗しない！地質学で見るドライ/ロックガーデンの石

石材選びは庭の排水性・pH・景観を左右します。揖斐川庭石センターが店頭相談50件以上で得た知見を、地質学の視点から解説します。

石灰岩（Limestone）｜ドライガーデンに最適

• 特徴：白色～グレー色、炭酸カルシウム主成分（CaCO₃）
• メリット：アルカリ性（pH 8.0-8.5）でアガベ・ユッカに最適、反射光で夏場の地温上昇を抑制
• デメリット：酸性雨で溶解（10年で表面1-2mm減少）
• 価格：¥2,500-¥3,500/20kg（岐阜砂利より+20%高）

チャート（Chert）｜ドライガーデンに最適

• 特徴：岐阜県で産出される非常に硬い堆積岩。イエローやブラウン、サビ色が混ざり合った「暖かみのある色合い」と、ゴツゴツとしたワイルドな形状が特徴。
• メリット：耐久性抜群（風化しにくい）、地元産で輸送費が安い
• デメリット：角が鋭く怪我のリスク（軍手必須）
• 価格：¥2,090/20kg（岐阜石割栗石50-200mm）

溶岩石（Lava Rock）｜ロックガーデンに最適

• 特徴：黒色～赤褐色、多孔質（間隙率30-50%）
• メリット：保水性と排水性の両立、高山植物の根張りに最適
• デメリット：重量が軽く台風で飛散リスクあり
• 価格：¥300/kg（100kg で¥30,000）

【推奨商品】浅間石300-400mm
価格: ¥2,090/（税込）/20kg（2025年12月13日時点）
特徴: 浅間山麓から採取。非常に軽い石。
商品URL:浅間石300-400mm 詳細ページ

浅間石（300-400mm）｜庭ガーデニングの粋でおしゃれな石の専門店・揖斐川庭石センター

浅間山付近で採れる、火山岩の石です。色は、濃い黒で、形状も、特に大きい方は、水彫れのような凹みが多く見られ、見ていても面白いです。

砂岩（Andesite）｜ロックガーデンに最適

• 特徴：堆積岩の一種、灰色～茶色
• メリット：立体感を出しやすい、高山の雰囲気に最適
• デメリット：重量が重く硬い
• 価格：¥2,310/個（150-300mmサイズ）

【推奨商品】ブラウングレーロック（150-300mm）
価格: ¥2,310/（税込）/20kg（2025年12月13日時点）
特徴: 三重県から採取。ぐれーと茶の石が混じっている
商品URL:ブラウングレーロック（150-300mm） 詳細ページ

ブラウングレーロック（150-300mm）＜価格,サイズ,色＞｜庭ガーデニングの粋でおしゃれな石の専門店・揖斐川庭石センター

グレーの石と茶色の石が混じっている割栗石です。単色でないので、全体的に見ると、自然らしし、ランダムさが魅力的ですね。

植物の科学：なぜドライとロックで植物が違うのか？

マーブルブラウンロックのロックガーデン

植物の違いは光合成方式と低温適応に由来します。科学的根拠から、なぜドライとロックで植物が異なるのかを解説します。

ドライガーデンの植物＝CAM型光合成

アガベ・ユッカなどの多肉植物はCAM型光合成（Crassulacean Acid Metabolism）を行います。これは、

• 夜間に気孔を開く→ CO₂を取り込み、リンゴ酸として貯蔵
• 昼間は気孔を閉じる→ 水分蒸発を最小限に抑える

このため、年間降水量200mm以下の乾燥地帯でも生育可能です。岐阜・愛知（年間降水量1,800mm）では、排水層15cm必須でないと根腐れします。

ロックガーデンの植物＝高山・匍匐性

セダム・タイムなどは高山帯適応植物で、以下の特徴を持ちます。

• 低温耐性：細胞内に不凍タンパク質（AFP: Antifreeze Protein）を持ち、-25℃でも細胞壁が破壊されない
• 匍匐性：地面を這うように成長し、強風・乾燥に耐える

岐阜・愛知の湿潤寒冷環境（-8℃～-10℃が一晩中続く）に最適です。

ドライガーデンの特徴：開放感と低メンテナンスが魅力

ドライガーデン

1. ドライガーデンのメリット

• 年間メンテナンス6時間（芝生の1/8）
• 水やり月1回（夏のみ）で済む
• 10年以上維持可能（石・砂利は半永久）
• モダンな雰囲気を演出できる

2. ドライガーデンのデメリット

• 初期費用が高い（10㎡で¥120,000~¥180,000）
• 排水層15cm必須（掘削・砂利敷設が重労働）
• 植物単価が高い（アガベ1株¥3,000~¥10,000）
• 岐阜・愛知では冬対策必須（-15℃以上の耐寒性必要）

3. ドライガーデンを構成する要素

①排水層（必須）

揖斐砂利 5-25mmを15cm敷設。粒径5-25mmで間隙率40%以上を確保し、排水速度30倍+酸素供給を実現します。

②防草シート（推奨）

遮光率99%以上の防草シートで雑草を大幅抑制。

③化粧砂利（必須）

岐阜砂利 20-30mmを4cm以上敷設。茶色を中心にピンク・青など多彩な色彩。

④植物（主役）

• アガベ・パリー（耐寒-20℃）：岐阜・愛知で地植えOK
• ユッカ・ロストラータ（耐寒-15℃）：雪が積もっても問題なし
• オリーブ（耐寒-8℃）：名古屋市街地なら地植え可能

ロックガーデンの特徴：立体感と高山植物が魅力

ロックガーデン

1. ロックガーデンのメリット

• 初期費用が安い（10㎡で¥80,000~¥120,000）
• 岐阜・愛知の気候に最適（高山植物は湿潤寒冷に強い）
• 立体感を出しやすい（石の高低差で演出）
• 小さな花を楽しめる（セダム・高山植物）

2. ロックガーデンのデメリット

• 年間メンテナンス20時間（ドライガーデンの3倍）
• 水やり週1回（通年）が必要
• 植物の植え替え頻繁（3-5年で根詰まり）
• 石の配置にセンス必要（DIY難易度高）

3. ロックガーデンによく使われる石

①溶岩石（荒々しい雰囲気）

火山噴火で噴き出した溶岩。多孔質で水はけ抜群。150-250mmサイズが主張しやすい。

②白砕石（クールな印象）

白色と灰色が混ざり合った色合い。落ち着いた雰囲気を演出。

③クォーツロック（上品な雰囲気）

琥珀色の透明感。柔らかい印象で和風にも洋風にも合う。

4. ロックガーデンによく使われる植物

• セダム類（耐寒-20℃）：小型多肉植物。石の隙間に最適。
• ハーブ類（耐寒-10℃）：タイム、オレガノなど。香りも楽しめる。
• 高山植物（耐寒-25℃）：エーデルワイス、リンドウなど。小さな花をつける。

【新提案】ハイブリッドガーデン｜ドライとロックのいいとこ取り

ハイブリッドガーデンとは？

ロックガーデンの石組み構造（立体感）に、ドライガーデンの乾燥地帯植物（低メンテ）を組み合わせた庭です。

ハイブリッドガーデンの作り方（5ステップ）

1. Step1: 石組みで高低差を作る（溶岩石150-250mm を30-50cm積む）
2. Step2: 排水層を確保（揖斐砂利5-25mm を10cm敷設、ドライの15cmより浅くてOK）
3. Step3: 防草シート敷設（スミリンセパレートシート）
4. Step4: 乾燥地帯植物を配置（アガベ・ユッカを石の隙間に植える、1m²あたり2-3株）
5. Step5: 化粧砂利で仕上げ（岐阜砂利20-30mm を3cm敷設）

ハイブリッドガーデンの費用内訳（10㎡）

出典: 揖斐川庭石センター施工実績（2022-2024年、ハイブリッド施工15件の平均値）

【保存版】岐阜・愛知の植物耐寒性マップ

※注意：カタログ値-10℃の植物は、岐阜・愛知の湿潤寒冷環境（雨・雪+低温が一晩中続く）では凍害リスクあり。-15℃以上の植物を選んでください。

ほかの庭の種類にはどんなものがある？

ドライガーデン・ロックガーデン以外にも、多様な庭スタイルがあります。

1. ナチュラルガーデン

ナチュラルガーデン

自然な美しさを生かす、ナチュラルな雰囲気の庭。イングリッシュガーデンもこれに分類されます。

2. ボーダーガーデン

ボーダーガーデン

敷地内の境界線に植物をボーダー状に配置。生垣もボーダーガーデンの一種。

3. シェードガーデン

シェードガーデン

半日陰〜日陰で楽しむ庭。しっとりとした雰囲気が魅力。

4. カラーリーフガーデン

カラーリーフガーデン

花ではなく、葉の色の美しさを楽しむ庭。年間を通して同じ美しさを保てます。

5. ジャンクガーデン

ジャンクガーデン

味わい深いジャンクな小物を使った庭。鉢を使うことが多く、高低差を出しやすい。

ドライガーデン vs ロックガーデン vs ハイブリッド｜どちらを選ぶべきか？

【ドライガーデンがおすすめな人】

• メンテナンス時間を最小限にしたい（年6時間でOK）
• モダン・洗練された雰囲気が好き（アメリカ西部風）
• 初期費用をかけて長期維持したい（10年以上）
• 名古屋市街地・豊橋市など温暖な地域（冬季最低-3℃以上）

【ロックガーデンがおすすめな人】

• 初期費用を抑えたい（10㎡で¥80,000前後）
• 高山・山岳地帯の雰囲気が好き（北アルプス風）
• 小さな花を楽しみたい（セダム・高山植物）
• 岐阜市・多治見市など寒冷な地域（冬季最低-10℃以下）

【ハイブリッドガーデンがおすすめな人】

• ドライとロックの良いとこ取りをしたい（立体感+低メンテ）
• 岐阜・愛知全域で対応可能な庭が欲しい（-10℃でもOK）
• 年10時間のメンテナンスが許容できる（ドライとロックの中間）
• 初期費用¥95,000/10㎡が妥当（3つの中で中間コスト）

ドライガーデン・ロックガーデンに関するQ&A 6選

Q1. 両方を組み合わせることはできますか？

A. 可能ですが、デザインの統一性が難しいです。ドライガーデンの「開放感」とロックガーデンの「密度」は対立するため、どちらかをメインにし、一部だけ取り入れるのがおすすめです。または、本記事で提案する「ハイブリッドガーデン」（ロック構造+ドライ植物）という第3の選択肢もあります。

Q2. DIY施工は難しいですか？

A. ドライガーデンは初心者でも可能、ロックガーデンは中級者向けです。ドライガーデンは「掘る→砂利を敷く→植物を植える」だけ。ロックガーデンは「石の配置」にセンスが必要で、やり直しが多発します。ハイブリッドガーデンは中級者向けで、石組みの基礎知識が必要です。

Q3. 岐阜・愛知でおすすめはどちら？

A. 温暖な名古屋市街地ならドライガーデン、寒冷な岐阜市・多治見市ならロックガーデンです。ドライガーデンの多肉植物は湿潤寒冷に弱く、岐阜市では冬越し対策が必須です。岐阜・愛知全域に対応したい場合は、ハイブリッドガーデンがベストです。

Q4. 植物の詳しい育て方を教えてください。

A. 弊社は石・砂利専門のため、植物の詳細なお問い合わせは承っておりません。お近くの園芸店や楽天市場の専門店にご相談ください。弊社では「この植物に合う石・砂利」のご提案に特化しています。

Q5. 石・砂利のレイアウト相談はできますか？

A. はい、LINE公式アカウントで無料相談を受付中です。お庭の写真（日当たり・サイズ・現状）を送っていただければ、「この場所にこの石（サイズ・個数）」を具体的にご提案します。店頭相談50件以上の実績から、失敗しないレイアウトをアドバイスします。

まとめ：ドライガーデンとロックガーデンの違いを理解して、理想の庭を作ろう

ドライガーデンとロックガーデンは、目的・構造・メンテナンス・費用が全く違います。

• ドライガーデン：乾燥地帯の開放感、年6時間メンテ、初期費用¥121,150
• ロックガーデン：高山の立体感、年20時間メンテ、初期費用¥74,400
• ハイブリッドガーデン：ドライとロックのいいとこ取り、年10時間メンテ、初期費用¥94,750

岐阜・愛知では、温暖な名古屋市街地ならドライガーデン、寒冷な岐阜市・多治見市ならロックガーデン、全域対応ならハイブリッドガーデンがおすすめです。

弊社は石専門店のため、植物の詳しい育て方は外部サイトをご参照ください。石・砂利のレイアウトに関しては、LINE公式アカウントで無料相談を受付中です。

引用文献

1. 日本土壌肥料学会誌 – J-STAGE (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/dojo/-char/ja)
2. 園芸学研究 – J-STAGE (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjshs1/-char/ja)
3. 農業気象「霜害発生機構に関する研究」 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/agrmet1943/45/4/45_4_267/_article/-char/ja/)
4. 日本地質学会 – J-STAGE (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/geosoc/-char/ja)
5. 日本植物生理学会 – J-STAGE (https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjpps/-char/ja)